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梶川作 親子獅子図 金蒔絵 五段印籠
¥950,000
寸法:縦 9.5cm 横 5cm 緒締:金蒔絵玉 根付:獅子頭に人物 地は梨地。 日本の故事に「獅子の子落とし」という、子を産んだ獅子がその子を深い谷へ投げ落し、生き残ったものだけを育てるという言い伝えがあります。 現代では「自身の子に困難を与え、立派な人間に育てる」という意味の慣用句になっており、子の立派な成長を願う親の思いが込められています。 こちらの印籠にはそのような願いが込められているのでしょう。 強い人間を育てるために必要なことを、この印籠が教えくれているようです。 獅子や谷を表現した高蒔絵は非常に力強く、アクセントとして施された切金も見事な出来栄えです。 梶川家: 5代将軍綱吉治世下の天和2年(1682)、初代の梶川常巌が大坂からに召し出され、 印籠その他蒔絵御用を勤め、それ以来12代にわたり、代々将軍家の御細工頭支配御蒔絵師でした。 印籠工として、古今第一の名工と評され、最も有名な印籠蒔絵師の一派として、明治維新まで繁栄しました。
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胡柳斎作 楼閣山水図 金蒔絵 五段印籠
¥850,000
寸法:縦 9cm 横 5cm 緒締:丸文様玉 根付:木彫鍾馗図 地は沃懸地。 高蒔絵と切金を施し、無骨で印象的な山肌を楼閣山水図と、穏やかな人々の暮らしがうかがえる山水図が表現されています。 上から下に逆らうことなく流れる水は、人の理想の人生を表現しています。 中国では古来より、山水図は精神を表現したものとされ、鑑賞して生命の源を感じ取り精神を高めるという目的で用いられていました。 この作品もその流れを汲んで、鑑賞のために山水図を取り入れたのかもしれません。 作られた当時の思いに想像が膨らみます。 N12810
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白井可交斎(枩山)作 瀟湘八景図 金蒔絵 六段印籠
¥800,000
寸法:縦 8.5cm 横 5.5cm 緒締:瑪瑙(めのう) 根付:孔子図 地は沃懸地。 瀟湘八景とは、中国の山水画における伝統的な画題を指します。 湖南省長沙市の一帯で、風光明媚な水郷地帯として知られています。 「江天暮雪」、「漁村夕照」、「煙寺晩鐘」、「遠浦帰帆」、「洞庭秋月」、「瀟湘夜雨」、「平沙落雁」、「山市晴嵐」の八カ所の風景からなり、多くの中国の文人や画家がこれを題材に作品を生み出しました。 高蒔絵を巧みに施し、立体感を出しながら美しい八つの風景を小さな印籠に収めています。 熟練の職人の腕なくしては完成しない逸品です。 枩山銘: 白井可交斎の号名、可交斎枩山からなる。
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菊と流水図 金蒔絵 六段印籠
¥750,000
寸法:縦 9cm 横 5cm 緒締:瓢箪型 根付:木彫栗 地は沃懸地。 中国の故事に「菊に付いた露を飲むと寿命が延びた」という話があり、菊は不老不死の薬草、そして長寿の象徴として平安時代に日本へ伝来しました。 そのことから、菊と流水を合わせた図を取り入れ、長寿を祈願したのではないかと思われます。 また、中国では菊は権力・尊厳・崇高のシンボルとされており、日本でもその高貴な風格から貴族や皇族に好まれるようになりました。 上から下へ流れていく水は清らかさの象徴であり、菊の高貴さと相まって非常に上品な意匠となっています。
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祇園祭山鉾図 金蒔絵 四段印籠
¥900,000
寸法:縦 8.5cm 横 6cm 緒締:鶴頭 根付:獅子舞図 地は梨地。 祇園祭は、平安時代前期、京都の町で流行した疫病を鎮めるために始められたとされています。 怨霊を鎮め疫病神を退散させる神様である牛頭天王(ごずてんのう)を祀り、66(日本の当時の国の数)の矛に悪霊を乗り移らせて、祓いました。 室町時代には矛は屋台に取り付けられ、華やかな山鉾へと姿を変え、現在もなお続いている日本に欠かせないお祭りの一つになりました。 山鉾は計33基あり、それぞれに御神体を祀っています。 こちらの印籠の図は、その内の一つを題材に描いたものでしょう。 高さおよそ15mもの大きな山鉾が小さな印籠の世界で描かれた作品です。 無病息災の世を祈る作者の思いが伝わって来ます。 根付のモチーフになっている獅子舞も、「噛まれればその一年は無病息災」と言われており、印籠と根付が合わさりさらに強い力が生まれることでしょう。
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桜に馬図 金蒔絵 五段印籠
¥1,250,000
寸法:縦 8cm 横 6cm 緒締:瑪瑙(めのう) 根付:木彫牛 地は沃懸地。 「桜に馬」という組み合わせは、源頼朝・義経兄弟の逸話が思い起こされます。 静岡県富士宮市の「狩宿の下馬桜」は、鎌倉時代、頼朝が富士の巻狩り(当時の軍事演習にあたる大規模な狩猟)を行う際に馬を繋ぎ留めていたとされ、「駒止めの桜」とも呼ばれています。 また、長野県の阿智村にある「駒つなぎの桜」には、その昔、源義経が奥州へ下る際に馬を繋いだという逸話があります。 こちらの印籠は、その逸話をそれぞれの面で表現したものではないかと思われます。 日本を象徴する桜と、日本の侍を象徴する二人。 きっと、この印籠を持った人物も大成していたことでしょう。
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松に楓図 金蒔絵 五段印籠
¥650,000
寸法:縦 9.5cm 横 5cm 緒締:漆玉に金蒔絵 紗綾形文様 根付:獏図 地は沃懸地。 松は、どの季節でも緑の色が変わらないこと、樹齢が長いことから長寿の吉祥とされています。 また、楓はその形状が蛙の手に似ていることから「蛙手(かえるで)」とも呼ばれており、蛙は「還る」に通じることから長寿を表現しています。 一見普通の風景のように見える図案ですが、そういった思いがさりげなく込められている粋な作品です。 松と楓は薄肉高蒔絵が施され、シンプルかつ静かな技法でわずかに盛り上げて金の光沢を表現しています。
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原羊遊斎作 後三年の役の図 金蒔絵 五段印籠
¥1,100,000
寸法:縦 8cm 横 5.5cm 緒締:珊瑚玉 根付:鬼とお多福図 地は沃懸地。 後三年の役(義家合戦)を描いた印籠。 表は、部下を従え馬に乗る武者・源義家、裏は草原に鳥が飛ぶ構図になっています。 本来なら整然と列をなして飛ぶ雁が乱れ飛んでいる光景を目にした義家は、敵がそこに潜んでいることを察知し戦いを挑みました。 のちに「雁行の乱れ」と呼ばれ絵巻物にも描かれるこの場面を、印籠の表裏を使って表現しています。 作品を通じて、当時の武者の鎧や武器などを知ることができる貴重な資料になっています。 高価な金の蒔絵をふんだんに使い、高蒔絵で細かな鎧の細工や人物の顔までも鮮明に表現されたこの作品は一級品と言えます。 原羊遊斎: 江戸時代後期の蒔絵師。 作風は、尾形光琳などの琳派風の装飾豊かな意匠を、薄肉高蒔絵を基調にした伝統的な蒔絵技法で描き出したもので、その精細かつ華やかな表現は江戸後期の多彩な蒔絵の中でも際だって目を引く存在となっている。
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可光斎作 諌鼓鶏図 金蒔絵 五段印籠
¥1,000,000
寸法:縦 8cm 横 6.5cm 緒締:玉(ぎょく) 根付:玉に童子型 漆塗 地は沃懸地。 太鼓に乗る鶏のモチーフは、中国の故事「諌鼓鶏(かんこどり)」に由来します。 その昔君主は、平民が施政に対し異議を申し立てる際に鳴らす太鼓(諌鼓)を朝廷の門外に設けました。 しかし君主の政治は善政だったため、その太鼓は使われることはなく、苔が生え蔦が茂り鶏の遊び場になった、ということです。 このことから、太鼓に鶏が乗る構図は天下泰平の象徴とされるようになりました。 もう片面には親子の鶏が戯れており、一家の幸福、ひいては平和を意味しているのだと思われます。現代にも通じる人々の願いがこの印籠に込められているのでしょう。 鶏や太鼓、松などは高蒔絵で立体的に表現され、派手でありながら抑えた構図で仕上げています。 贅の限りを尽くした一品です。 可光斎笑山という蒔絵師が存在しますが、この印籠との関係は不明です。
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白井可交斎作 九頭馬図 金蒔絵 五段印籠
¥950,000
寸法:縦 9.5cm 横 5cm 緒締:瑪瑙(めのう) 根付:花図まんじゅう根付 地は沃懸地。 斑点のある馬は日本では見られませんが、中国の図案などではこのような馬が描かれているものがあります。 馬は表裏合わせて9頭。 馬が九頭で「馬九いく(うまくいく)」という言い回しもあり、縁起物とされています。 馬は元来、縁起物として親しまれており、構図に頻繁に登場しています。
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千羽鶴図 金蒔絵 五段印籠
¥1,000,000
寸法:縦 8cm 横 6.5cm 緒締:珊瑚玉 根付:木彫 日笠図まんじゅう根付 地は沃懸地。 鶴の大群一羽一羽がそれぞれ違った行動をしており、躍動感が表れています。 金と銀の高蒔絵によって立体感を強く打ち出した鶴の姿は緻密さを極め、当時の職人の思い入れがこちらの印籠に表れています。
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堆黒 倶利文様 五段印籠
¥180,000
寸法:縦 6.5cm 横 5.5cm 緒締:珊瑚玉 根付:花を持つ童子図 木彫まんじゅう根付 こちらの作品は、漆を塗り重ねて作り上げていくため、漆を塗って乾かしてから表面を研ぎ、その上に漆を塗って乾かして…という数百にも及ぶ繰り返しの工程を数年かけて行い、この形が出来上がります。 作品全体に彫られている倶利文様の起源は、アイヌ民族の文様から影響を受けた説と、中国の屈輪から影響を受けた説があるようです。 左右対称に、五段全てを使って繋ぎ文様に仕上げられており、作品のバランスの良さが感じられます。
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堆黒 倶利文様 五段印籠
¥850,000
寸法:縦 11cm 横 7cm 緒締:蓮の葉に蝶図 根付:蓮の実の根付 こちらの作品は、漆を塗り重ねて作り上げていくため、漆を塗って乾かしてから表面を研ぎ、その上に漆を塗って乾かして…という数百にも及ぶ繰り返しの工程を数年かけて行い、この形が出来上がります。 作品全体に彫られている倶利文様の起源は、アイヌ民族の文様から影響を受けた説と、中国の屈輪から影響を受けた説があるようです。 文様全てを均等の深さに彫り込む技術は、当時の職人の腕があってこそのものでしょう。 N12803
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甲斐の猿橋図 金蒔絵 六段印籠
¥750,000
寸法:縦 9.5cm 横 5.5cm 緒締:花尽くし象嵌金具 根付:草履に蛙 地は梨地。 「岩国の錦帯橋」、「木曽の桟」とともに日本三大奇橋として称される「甲斐の猿橋」。 橋脚を全く使わず、両側の刎木(はねぎ)によって支えられている特殊な構造をしています。 構造の起源は定かではありませんが、西暦600年頃、百済からやってきた造園博士の志羅呼(シラコ)が「たくさんの猿がつながりあって岸を渡る姿」から着想を得て作られたとされています。 のちに浮世絵師・歌川広重がこの地を訪れ、その絶景に心を動かされ「甲陽猿橋之図」という作品を生み出しました。こちらの印籠の作者は、その作品を元に図案化したのでしょう。 山深い希少な橋の風景は高蒔絵と螺鈿で表現されています。 数年かけて完成した美しい姿からは、作者の強い思いが感じられます。 https://kottokaikan.theshop.jp/items/53427602
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吉祥文様尽くし 金蒔絵五段印籠
¥1,300,000
寸法:縦 8.5cm 横 7cm 緒締:ガラス細工 根付:蝦蟇仙人図 地は沃懸地。 丸や四角、扇型など趣向を凝らした窓には、 鶴亀、松竹梅、富士山に千石船、雀、鶏、椿といった日本を代表する縁起物がずらりと並んでいます。 これほどまでに題材が詰め込まれているにもかかわらず嫌味を感じないのは、 空間を上手く活用する日本らしい洗練されたデザインだからではないかと思われます。 蒔絵の技術の限りを尽くし、しかし煌びやかでもなく寂しくもないこの作品は、江戸時代の作者の心が表れているようです。
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花鳥図 金蒔絵五段印籠
¥950,000
寸法:縦 8cm 横 6.5cm 緒締:木彫 雀型 根付:印籠を持つ武者 地は梨地。 牡丹や松、雀など、縁起の良いものを取り入れて構成された作品です。 牡丹は不老不死、松は長寿、雀は子孫繁栄など、それぞれに意味が込められています。 雀、牡丹は牙を使い、松や岩は高蒔絵を施し立体的に表現しています。 梨地をあえて黒漆が見える程度に施すことによって、牙の白を浮き立たせる見事な構成となっています。 N12780
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梶川作 瀟湘八景図 金蒔絵五段印籠
¥750,000
寸法:縦 9.5cm 横 5cm 緒締:木魚型玉 根付:木彫 べし見面型 地は沃懸地。 瀟湘八景とは、中国の山水画における伝統的な画題を指します。 湖南省長沙市の一帯で、風光明媚な水郷地帯として知られています。 「江天暮雪」、「漁村夕照」、「煙寺晩鐘」、「遠浦帰帆」、「洞庭秋月」、「瀟湘夜雨」、「平沙落雁」、「山市晴嵐」の八カ所の風景からなり、多くの中国の文人や画家がこれを題材に作品を生み出しました。 こちらの作品は、小さな印籠の中に美しい八景図を全て収めたものとなっています。 随所に切金や金銀の高蒔絵といった技術の限りを尽くし、雄大な光景を見事に表現しています。 また、各地の名称も蒔絵で書かれています。 梶川家: 5代将軍綱吉治世下の天和2年(1682)、初代の梶川常巌が大坂からに召し出され、 印籠その他蒔絵御用を勤め、それ以来12代にわたり、代々将軍家の御細工頭支配御蒔絵師でした。 印籠工として、古今第一の名工と評され、最も有名な印籠蒔絵師の一派として、明治維新まで繁栄しました。
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古満寛哉作 鵜匠居住図 金蒔絵六段印籠
¥2,000,000
寸法:縦 10cm 横 7cm 地は沃懸地。 表面には鵜匠の道具が乗った浮舟、裏面には網や魚籠(びく)など漁師の道具が描かれており、鵜匠の暮らしが描かれています。 江戸時代の居住まいを思わせる茅葺屋根の建物と、邪気を払う縁起物とされる柳をそれとなく配置することで、何気無い風景に神秘性が現れます。 銀を細工して作られた船を嵌め込む「象嵌」、 周りの風景も高蒔絵や切金などの技法を駆使し、数年かけて作成された逸品です。 根付は荒波の中、巨大な魚と格闘する漁師を題材にしたもの。 古満寛哉: 古満家は江戸末期の12代まで続いた蒔絵師。代々の作風は古満蒔絵と呼ばれた。 時代の流行に沿って変化を取り入れる柔軟な作風が特徴。
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柳に鵜図 金蒔絵六段印籠
¥850,000
寸法:縦 10cm 横 5cm 緒締:銅製松笠図 根付:黄楊彫 親子亀 岩手県にある「鵜鳥神社」では縁起鳥として鵜を祀っています。 鵜には、川を自由に泳ぎ魚をたくさん食べる姿から大漁祈願や海上安全といった意味が込められています。 松や岩は高蒔絵に切金、鵜は銀の高蒔絵で描かれており、派手すぎない日本らしい静かな世界が広がっています。 緒締めに使われている松笠には邪気を払う力があり、根付の親子亀は脈々と続いていく長寿の象徴とされています。
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波に鯱図 木彫 煙草入
¥65,000
寸法:縦 9cm 横 7cm 緒締:ガラス細工 根付:木彫 花に蝶図 火事が発生した際に口から水を吐き、火を鎮めるとされている想像上の動物、「鯱」がデザインされています。 よほどの愛煙家の持ち物だったのでしょうか、蓋の裏を見ると、莨(タバコ)に関する歌が彫られています。
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窓絵草花図染錦手猪口5客組 日本 19世紀 伊万里焼
¥32,000
寸法:直径8.5cm 高さ6.5cm 今から四百年前に始まった日本の磁器。 世界に類を見ない構図の多様性は静寂と規律を重んじる日本人の思いとは裏腹に華やかで煌びやかな景色を表現しています。 人々を魅了する美しさは今も昔も心を豊かにする力を持っています。
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竹林に仙人図染付猪口 日本 19世紀 伊万里焼
¥6,000
寸法:直径9cm 高さ7.5cm 今から四百年前に始まった日本の磁器。 世界に類を見ない構図の多様性は静寂と規律を重んじる日本人の思いとは裏腹に華やかで煌びやかな景色を表現しています。 人々を魅了する美しさは今も昔も心を豊かにする力を持っています。
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花唐草図色絵猪口5客組 日本 19世紀 伊万里焼
¥29,000
寸法:直径9cm 高さ8cm 今から四百年前に始まった日本の磁器。 世界に類を見ない構図の多様性は静寂と規律を重んじる日本人の思いとは裏腹に華やかで煌びやかな景色を表現しています。 人々を魅了する美しさは今も昔も心を豊かにする力を持っています。
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波に楓図染付猪口5客組 日本 19世紀 伊万里焼
¥25,000
寸法:直径8cm 高さ6.5cm 今から四百年前に始まった日本の磁器。 世界に類を見ない構図の多様性は静寂と規律を重んじる日本人の思いとは裏腹に華やかで煌びやかな景色を表現しています。 人々を魅了する美しさは今も昔も心を豊かにする力を持っています。